分数量子ホール状態におけるポイントコンタクト

整数量子ホール系の伝導現象の多くはエッジチャネルの考え方で説明できるが分数量子ホール系のエッジチャネルのモデルには未だ決定的なものがない。試料の両端を接近させるポイントコンタクトを通した伝導からエッジチャネルに関する情報を得ることを目的として実験を行っている。

GaAs/AlGaAs2次元電子系を強磁場下におき,ν=1及びν=2/3の量子ホール状態に磁場を固定した後, スプリットゲートに負バイアスをかけることによって ポイントコンタクトのチャネル幅を変化させながら2端子コンダクタンスを測定した。 コンダクタンスがν=2/3 及びν=1それぞれの量子化値からゼロへ向かう途中に1/5, 1/3, 2/3, 4/5 など分数に量子化されたプラトーを観測した。